「お、重たい」

翌朝、僕は圧し掛かる暖かくて重たいものを感じて目を覚ます。

「起きた」

間近で美少女の顔があって驚く。

「キミ、何をしているの?」

悲鳴を上げなかったのは少ないけれど、命に係わる怪異と遭遇してきた事で耐性がついたからだろう。
寝ぼけ眼で相手の顔を見ると、晩餐に挨拶をした志我三衣だろう。

「どうして、この部屋に?」
「朝だから起こしにきた」
「……それはありがとう」

起こしに来てくれた事に感謝して、着替えの準備をしようとする。

「着替えるから外に出てくれない?」
「どうして?」
「僕、男、キミ、女なんだけど?」
「そうだね?それが」

この子は貞操観念どうなっているのだろうか?
目の前で着替える訳にいかないので、トイレで着替えた。

「きゃああああああああああああああああああああああ!」

着替え終わったところで隣の部屋から悲鳴が聞こえてきた。

「瀬戸さん!?」
「……二衣の悪戯だと思う」

駆け出そうとしたところで三衣ちゃんの言葉が聞こえて立ち止まる。

「悪戯?」
「うん。二衣は隣の人を気に入っていた」
「それって」

おそるおそる自室のドアをあける。

「アンタねぇ!人の寝込みを襲うってどういう神経してんのよ!?」
「気に入った、胸の感触とか、とても好き」
「待てぇえええええええ!」

鬼神のごとく二衣を追いかけていく瀬戸さん。
あれは怒りが収まらないと話を聞かないだろうな。
静かにドアをしめる。

「良いの?」
「うん、あれはどっちもどっちだし……」
「二衣、楽しそう」
「そうなの?」

ベッドに腰掛けて足をブラブラさせている三衣ちゃん。