食堂は大きな長方形のテーブルがあり、椅子が複数並べられており、既にいくつかの場所が埋まっていた。

「あの人達が他の参加者？」

入口の奥に恰幅の良い中年男性と気弱そうな男性がもくもくと食事をしており、部屋の中央に優しそうな印象の女性と知的な印象を与える少女が談笑しながら料理を味わっている。

「そうだろうね」

ひそひそと話しながら僕達は入口の傍に座る。

「ところで、瀬戸さん、そのドレス、どうしたの？」
「パーティーって聞いたからね、最近はそういうところも行っていなかったけど、一着だけあったから持ってきたの」

そういって瀬戸さんはスカートの裾を軽く掴む。
今の彼女は黒にところどころレースがついたパーティードレスを着ている。
黒という事もあってか彼女の金髪や白い肌が引き立てられていて、とても同い年に見えない。
自分は何があっても大丈夫なように制服姿故か余計に場違いな気持ちになってしまう。
新城なら、気にせず食事をするんだろうけれど。
こういう時に新城がいないと自分がどれだけちっぽけな存在か思い知らされたような気持になってしまう。
その時、廊下から複数の足音が聞こえてきた。
食事の手を止めて視線を向けると三人の女の子が入ってくる。

「あ、アイツ」

瀬戸さんが入ってきたうちの一人をみて顔を顰める。
僕もその中の一人に見覚えがあった。