「お子さん達?」
「志我家は三つ子の娘がおられるのです。来客があるとそれぞれがお客のところへ赴いて悪戯をしたりするのです。このあたりが自然に囲まれた場所で他の方との交流もないので珍しいのでしょう」

悪戯も些細なものなので許してあげてください、といって去っていく八島さん。
確かに胸を触られたくらいなら些細なものだろうけれど。
隣の部屋から今も感じる怒気に落ち着くまで三つ子の件は話さないようにしようと決めた。