思わず、私は夢中でページを捲った。
英語の背表紙の本が沢山置かれた本棚を背に、茶色のソファーに腰掛けて足をくむ姿は、まぎれもなく、大学時代、毎日隣で本を捲った優君で、そして幼い頃に一緒に本の世界の旅をした、あの、「ゆうくん」だった。
写真の優君は、黒縁メガネはかけておらず、前髪も短い。左目の下に小さなほくろがある。「ゆうくん」とおなじ左目の下のほくろ、優しく綺麗な黒い瞳。
ーーーー間違いない、見間違えるはずないから。
優君は、小さな頃私に、星の王子さまを何度も読んでくれた「ゆうくん」だ。
特集ページは、今までの優君の半生や物語への想い、また読者へ伝えたいメッセージと彼の写真で埋め尽くされている。
私は夢中で文字を目で追った。