小さな水玉模様の黄色の花が、今年も沢山花開いて、図書館前の小さな公園の片隅で芳しい香りを放つ。

──その花の名はミモザ。

マメ科 アカシア属

花言葉は、『秘めた恋』そして『友情』

あれから何年たっただろう。

私は未だにあの人が忘れられない。


真面目な顔をしていたと思えば、急に意地悪く笑う顔、本のページを捲るゴツゴツとした大きな手のひら、長めの柔らかい黒髪、笑うと目尻に皺ができる優しい瞳。

あれは、恋だったのだろうか、それとも寂しがり屋の私への、恋という名の膜を纏った友情めいたものだったのだろうか。

ーーーー最後まで貴方は言わなかったから。