流夜は二年の教師生活を終え、城葉犯罪研究所に入った。
前年の年の初めには桜宮学園に移ることで蒼とも話していたため、それを蹴ったと知られたときには十三から並々ならない非難を受けた。
基本的にみんな、統括たる蒼が大すきなのだ。
十三人で犯研に押しかけて来た。まじかよ。
蒼は――またもや苦労性を発揮してしまっている蒼は一番後ろで頭を抱えていた。
こんな暴動、蒼が率先して先導するわけなんてない。
ブラコンの紫と翠は激怒りだった。
アメリカにいる調も帰国してきて、一年中世界放浪の雪までやってきたのだからその怒りは形容しようがない。
なまじ世界的に有名にまでなってしまったモデルの紫や流もいたものだから、雅の仲裁で十三人が帰ったあと、流夜は所員に質問責めにされた。
激しく面倒だった。
これをきっかけに流夜は、『十三桜を動かせる貴重な人材』という傍迷惑な認識までされてしまった。
あんな奴らを動かせるわけないだろうが。
犯研に入って、流夜は一所には落ち着かない生活になった。
日本中どこへでも行った。世界へも動いた。
要請があれば日本の裏側の事件だって関わった。
真っ新になるまで解き挙げる。
三月ほどして、所長に呼び出された。
室長になれと言われた。
面倒なので嫌ですと断った。
所長渋面になった。
就かないと天科全のところへ送るぞと言われた。
流夜不機嫌まるだしになった。
全は未だ蒼・衛と喧嘩中だ。
今全側につくのは避けたい。
これ以上十三桜(あいつら)を敵にしたくない。
今まで通り行動に制限をかけないならと受け入れた。
所長上機嫌。流夜不機嫌。
だが、役職に制約をゆるす流夜でもなかった。
咲桜の卒業までは離れている。
そう決めた。
でも、あの日の咲桜の嬉しそうな顔は忘れられない。
匿名でプレゼントを贈った。
モロばれだったよ、と後に在義から聞かされた。
「どうでしたか?」と訊くと、「キレてた」との返事。
え?