「おかえりなさい!」
咲桜は流夜と一緒に在義を迎えた。
華取の家で過ごす最後の日になるかもしれない。
流夜が隣にいる咲桜を見る在義の眼差しで、それがわかった。
「ただいま。流夜くんも、やっと帰って来たね」
「長いこと、すみませんでした」
「いや、まあ私も大分いじめたしね。二人からの話もありそうだけど、私たちからも話すことがあるんだ。夜々ちゃん」
在義に続いて入って来たのは夜々子だった。
昼間の式のときとは違って普段着。
「父さん――?」
「うん。先に二人の方を訊こうか?」
L字型のソファ。一方に咲桜と流夜、もう一方に在義と夜々子を、在義と咲桜を間に座った。
咲桜がそわそわしているのを察している流夜だったが、在義の話の想像も大体はついている。
咲桜に決めさせるために、先にそれを聞いておいた方がいい気がした。
「在義さん、先にそちらを窺ってもいいですか? 咲桜も、それを聞いて最終的に決めた方がいいと思うんだ」
「最終的?」
きょとんとする咲桜に、在義は「あー」とらしくもなく唸った。
「……咲桜。卒業の日に難な話かもしれないけど、これが咲桜と流夜くんの将来に直接関わるわけではないことを承知して聞いてほしい」
「はい?」
「夜々ちゃんと、結婚する」
「………」
「箏子先生には承知いただいている。だから、咲桜と――流夜くんさえ認めてくれたら、夜々ちゃんが咲桜の母親になる。そういうこ
「本当⁉ ドッキリ⁉ 頼のカメラとか仕掛けられてないよね⁉ 嘘ついたら在義父さん断頭台に追い込むよ⁉」
父、軽く命の危機にさらされた。
興奮が収まらない咲桜を、流夜が片腕を引いて押しとどめる。
「咲桜、ちゃんと話聞こう」
「あ、はい!」
在義はやや言いにくそうに話し出す。
「本当だ。夜々ちゃんには長いこと待たせてしまったけど――華取夜々子に、なってもらいたいと思う。……咲桜は認めてくれるか?」