ぽすん、と流夜の肩に頭を載せる。
「今は、ただ嬉しい」
「……それはよかった」
流夜の手が、咲桜の頭を抱き込むように触れた。
笑満に――笑満が望んだ人が家族になる。
ふわふわとした現実感のなさと、笑満の笑顔であふれてくる幸福感。
それは、咲桜にも満ちてくる。
ぎゅっと、流夜の服の裾を摑んだ。
「先輩が浮気とかしたら、一緒に殴ってね」
咲桜のカゲキな要望に、流夜、三呼吸ほど黙った。
「……あれがそんな器用なこと出来るわけないと思うし、咲桜を暴力沙汰に巻き込ませられるか」
「じゃあ、笑満を泣かしたら――なんかしてやる。先輩を絶滅危惧種にしてやる」
「……咲桜がそう言っていたって、忠告しといてやるよ」
ぽんぽん、となだめるみたいに咲桜の頭を撫でた。
十八歳で結婚したから、流夜の妻になって五年になる。
流夜の咲桜可愛いと、咲桜の流夜大すきは相変わらずだ。