「そうだ、咲桜。在義さんとは話したんだけど、朝間先生の結婚式、見たいんだろ?」

「勿論! 終始撮影してもらうよ! 頼呼んで!」

すごいかぶりつきだった。

斎月の話が霧散するほど。シートベルト壊れないかな。

「って言うと思って、向こうの式が先かなと思うんだけど」

「式?」

「結婚式」

「う………」

ぼんっと、咲桜の顔が真っ赤になった。

やっぱり咲桜は、自分の方は考えが浅かったようだな。

「在義さんに言われたぞ? 娘の式出たいって」

「えと……その……」

「考えてなかった?」

「…………すいません。夜々さんのことでテンションいっぱいで……」

「だろうな。でも、どうする? 式と入籍は、今は違う日でもありだろ」

「…………」

「咲桜?」

反応がない。ちょうど信号で停車したので、顔を覗き込む。真赤になって固まっていた。

「おい?」

顔の前で手を振ると、はっとしたように流夜の方を見た。