「犯罪って言われんのがわかってたから卒業まで待ったんだが」
流夜が返すと、それぞれから反論があった。
「自覚あるんですか!」
「高校生嵌めてくるとはさすが室長」
「彼女さん高校生には見えないんですけど」
「まさか室長がロリコンだったなんて……」
「学生さん連れてくるなんて、お父さんから十発くらい殴られましたかっ?」
「室長が二日も休んだおかげで仕事大変だったんですけどー」
「あれ? 室長って前は先生だったんですよね? 確か高校の……」
最後の一人の呟きに、また廊下には変な緊張が走った。
「だから?」
平然と受けた流夜。
『だから犯罪だって言ってんですよー!』
非難轟々だった。
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「うう……私出入りし辛くなっただけじゃん……」
車に戻った咲桜は泣き言を言う。
所員から散々なことを言われても、流夜平然としていた。
どんだけ神経図太いんだこの旦那様は。
「いつもあんな風に賑やかだから気にする事ない」
「気にするよ! 旦那様の同僚の方だよ⁉ 在義父さんにとっての龍生さんみたいな人だよ!」
「あそこと比べんのは違うだろ。二人は学生の頃からの知り合いなんだし」
「そうかもだけど……うう……入りづらいよ……」
「大丈夫。余程のことなきゃ呼ばないから。変人の巣窟だから」
「……流夜くんもその一員だと?」
「否定はしない。自分がまともだなんて思ってないし」
「……自分で、自分のことまともだって言う人よりはマシかと思うよ」



