「咲桜。眠くないか?」
「うん、結構寝てたし。流夜くんこそ、寝てないんじゃ?」
「まあ……ちょっと話すことあったから」
運転中の流夜は、しかし特に眠そうでもない。
朝になって、咲桜は夜々子といちゃいちゃしていてそのまま眠ってしまっていたのを流夜に起こされた。
そのまま、行きたいところがあるというので一緒に華取の家を出て来た。
「……よかったな」
柔らかい声で言って、少し頭を撫でられた。
咲桜は思いっきり嬉しくなる。
「うんっ」
夢にまで見た、在義と夜々子の結婚。しかも妹まで……
「あ、また泣けてきた……」
「涙腺弱くなったか? てかお前、在義さんが驚いてたぞ?」
「? なにに?」
父が驚いて? 流夜との結婚をすぐ承諾したことかな? でも、流夜を追いかけるためん進路を選んだのは知ってるし……。
「いや……そこは掘り下げなくていい」
「そう? ね、どこ行くの?」
「ちょっとな」
「うー? あ、でもお仕事は……」