「在義さん、それについては少し相談が」

「ん?」

「あのですね…………」

流夜がずっと考えていたことを話すと、在義はがっと流夜の手を握った。

「さすがだ流夜くん。君でよかった」

瞳が生き生きとしていた。

「まだ咲桜も知りませんから、必ずとはお約束は出来ませんが……」

「それについては俺も出来るだけ協力する。遠慮はしないでいいからな」

「ありがとうございます」

「これなら夜々ちゃんも喜ぶよ。箏子先生も」

「そうだといいんですけど。……でも、ご結婚されるのはわかってましたけど、お子さんまでいるのは予想外でした」

「……君も結構ズバズバ言うよねえ。斎月くんに似て来たんじゃないか?」

「それ言うならあれが俺に似て来た、じゃないですか。今まで朝間先生とご結婚されないの、てっきり華取の血をのこしたくないからかと邪推していました」

「……邪推じゃないよ。本当にそれだ」

「気が変わったんですか?」

「そうだね。華取の稼業のことを知ってる奴とか、子どもたちに悪影響及ぼしそうなのは全部排除しておけばカタもつく問題かなあ、とね」

「……相変わらず暴力的な思考回路ですね。それなら天科サン、のこしておいていいんですか? 現状一番の権力者で、在義さんの天敵でしょう」

「ん~。全は……どうでもいいかな。他人の問題には巻き込まれないで、自分で問題巻き起こすのが好きなだけだからねえ」

「……いんですか」

在義がいいのなら、いいけど。

そして全、ただの傍迷惑なヤツだな。そんなのが最上司の自分、可哀想だ。