(もしかして、一年間くらい解決できないと思われて先払い!?)

 玲燕はびっくりして布袋を閉じる。

「それでひと月分だ」
「ひと月!」

 驚いて、思わず大きな声を上げる。これだけあれば、玲燕なら一年間は暮らせる。

「こんなに貰えません」
「俸禄は決められたものだ。それに、金はなくて困ることはあれど持っていて困ることはない。受け取っておけ」

 天佑はふっと笑うと、その場をあとにした。