どういう意味だろうかと、玲燕は首を傾げる。鈴々は真剣な顔で床を眺めていた。
(廊下にはなさそうね。ということは……)
玲燕は渡り廊下の手摺りから、下の地面を見る。廊下にないなら、地面に落ちた可能性が高いと思ったのだ。
「よく見えないわね。よいしょっと」
玲燕はひょいっと手摺りを飛び越え、地面に降りる。
「玲燕様!?」
玲燕が地面に降り立ったことに気付いた鈴々がぎょっとして声を上げる。
「探したらすぐ上がるわ」
玲燕はなんでもないことのようにそう言うと、周囲を見回す。すぐに黄土色の木片が落ちているのを見つけた。
「あった」
玲燕はそちらに近づき、算木の積み木を拾い上げる。積み木の表には『七』を示す記号が書いてあった。
「もうひとつは……」
そのとき、遠くから衣擦れの音と足音が近づいてくるのが聞こえた。
「何をしているの?」
振り返ると、艶やかな長い髪を下ろし、繊細な織り込みが見事な襦裙を身に纏った少女がいた。背後には、上品な薄黄色の上品な色合いの襦裙を纏った女官を数人従えている。
「これは蓮妃様」
鈴々が慌てたように頭を下げる。
(廊下にはなさそうね。ということは……)
玲燕は渡り廊下の手摺りから、下の地面を見る。廊下にないなら、地面に落ちた可能性が高いと思ったのだ。
「よく見えないわね。よいしょっと」
玲燕はひょいっと手摺りを飛び越え、地面に降りる。
「玲燕様!?」
玲燕が地面に降り立ったことに気付いた鈴々がぎょっとして声を上げる。
「探したらすぐ上がるわ」
玲燕はなんでもないことのようにそう言うと、周囲を見回す。すぐに黄土色の木片が落ちているのを見つけた。
「あった」
玲燕はそちらに近づき、算木の積み木を拾い上げる。積み木の表には『七』を示す記号が書いてあった。
「もうひとつは……」
そのとき、遠くから衣擦れの音と足音が近づいてくるのが聞こえた。
「何をしているの?」
振り返ると、艶やかな長い髪を下ろし、繊細な織り込みが見事な襦裙を身に纏った少女がいた。背後には、上品な薄黄色の上品な色合いの襦裙を纏った女官を数人従えている。
「これは蓮妃様」
鈴々が慌てたように頭を下げる。