「玲燕殿の言うとおりだ。同じような棒が、他の場所からもいくつか見つかった。なにぶん小さい上に場所も定かでないもので、部下に捜させるのに手間取った」
天佑が折りたたまれた布を玲燕に差し出す。玲燕が無言でそれを受け取って開くと、中からは細い棒きれが出てきた。一部は端に焦げたような跡が残っている。
「これらの棒は全て、これまで火の玉の目撃情報のある場所から捜し出してきたものだ」
「では、私の推理が正しい可能性は極めて高いでしょう」
玲燕はその包みを元通りに包み直すと、天佑に手渡す。
「少しはお役に立ちましたか?」
なんでもないことのように尋ねてくる玲燕に、空恐ろしさを感じた。
王都の錬金術師が何ヶ月も掛けて解決できなかった謎を、この少女はたった数日で、しかも自分ひとりの知識のみで解決したのだ。
「本当に見事だな。天嶮学とはかくも素晴らしいものとは……」
「天嶮学はあくまでも錬金術の一流派にすぎません。物事を見て、その真理を追究するのです」
褒められた嬉しかったのか、あまり表情を見せない玲燕の口元に笑みが浮かぶ。
天佑が折りたたまれた布を玲燕に差し出す。玲燕が無言でそれを受け取って開くと、中からは細い棒きれが出てきた。一部は端に焦げたような跡が残っている。
「これらの棒は全て、これまで火の玉の目撃情報のある場所から捜し出してきたものだ」
「では、私の推理が正しい可能性は極めて高いでしょう」
玲燕はその包みを元通りに包み直すと、天佑に手渡す。
「少しはお役に立ちましたか?」
なんでもないことのように尋ねてくる玲燕に、空恐ろしさを感じた。
王都の錬金術師が何ヶ月も掛けて解決できなかった謎を、この少女はたった数日で、しかも自分ひとりの知識のみで解決したのだ。
「本当に見事だな。天嶮学とはかくも素晴らしいものとは……」
「天嶮学はあくまでも錬金術の一流派にすぎません。物事を見て、その真理を追究するのです」
褒められた嬉しかったのか、あまり表情を見せない玲燕の口元に笑みが浮かぶ。