玲燕は中庭を照らすために点されていた灯籠の中に、箸の端を突っ込む。程なくして煙が上がり、火が燃え移った。
玲燕はそれを確認し、片側が燃える箸を目線の高さまで上げる。
「炎は何色に見えますか?」
「橙色だ」
天佑は答える。それは、焚き火でよく見かける、天佑もよく見る炎の色だった。
「その通りです。では、これは?」
玲燕はもう二本、同じような形状をした箸を取り出すと、その先っぽに灯籠の炎を重ねる。さほど時間がかからずに、炎は燃え移った。
すると──。
「……黄色と緑色だ」
天佑は信じられない思いでその炎を見つめた。先ほどの箸は橙色だったのに、今度の箸は炎は違っていた。一本は橙に混じり合うように黄色の光を、もう一本は緑色の光を放っている。
「ご覧の通り、これがあやかし騒ぎの正体です」
玲燕はにこりと微笑む。
「どういうことだ?」
「至って簡単な仕掛けです。こちらと同じものをもうひとつ用意しておりますので、明るいところでご覧になってください」
「ああ」
玲燕はそれを確認し、片側が燃える箸を目線の高さまで上げる。
「炎は何色に見えますか?」
「橙色だ」
天佑は答える。それは、焚き火でよく見かける、天佑もよく見る炎の色だった。
「その通りです。では、これは?」
玲燕はもう二本、同じような形状をした箸を取り出すと、その先っぽに灯籠の炎を重ねる。さほど時間がかからずに、炎は燃え移った。
すると──。
「……黄色と緑色だ」
天佑は信じられない思いでその炎を見つめた。先ほどの箸は橙色だったのに、今度の箸は炎は違っていた。一本は橙に混じり合うように黄色の光を、もう一本は緑色の光を放っている。
「ご覧の通り、これがあやかし騒ぎの正体です」
玲燕はにこりと微笑む。
「どういうことだ?」
「至って簡単な仕掛けです。こちらと同じものをもうひとつ用意しておりますので、明るいところでご覧になってください」
「ああ」