「話は少し前に戻ります。ここ最近、陛下の周りでは色々な事件が発生しましたね。第一に鬼火事件、第二に暗殺未遂事件、第三に桃林殿の女官殺害事件です。これらの事件はそれぞれ別々に見えますが、実は全てが先の鬼火事件から繋がっていたのです」
そこまで言ったとき、「待て」と声が上がった。
「何を言っている! 鬼火の犯人は劉家と高家だと、お前が言ったのではないか」
聞いていた官吏の一人が、立ち上がってそう指摘する。
「今は菊妃が話している」
潤王の牽制で、官吏はしぶしぶと顔をしかめて再び腰を下ろした。
「私は前回の鬼火の事件の際、ひとつ大きな見逃しをしました」
「犯人が間違っていたということか?」
潤王が問い返す。
「いいえ。犯人は劉様と高様で間違いありません。ただ、その二つの家門があの事件を行うことを陰で後押しした、黒幕がいたことを見逃していたのです。そしてその黒幕こそ、これらの三つの事件全てに関わった犯人になります」
「ほう。それで、その黒幕とは?」
潤王は玉座に座ったまま、少し身を乗り出して興味深げに玲燕を見つめる。
「そちらにいらっしゃる、黄連泊様です」
そこまで言ったとき、「待て」と声が上がった。
「何を言っている! 鬼火の犯人は劉家と高家だと、お前が言ったのではないか」
聞いていた官吏の一人が、立ち上がってそう指摘する。
「今は菊妃が話している」
潤王の牽制で、官吏はしぶしぶと顔をしかめて再び腰を下ろした。
「私は前回の鬼火の事件の際、ひとつ大きな見逃しをしました」
「犯人が間違っていたということか?」
潤王が問い返す。
「いいえ。犯人は劉様と高様で間違いありません。ただ、その二つの家門があの事件を行うことを陰で後押しした、黒幕がいたことを見逃していたのです。そしてその黒幕こそ、これらの三つの事件全てに関わった犯人になります」
「ほう。それで、その黒幕とは?」
潤王は玉座に座ったまま、少し身を乗り出して興味深げに玲燕を見つめる。
「そちらにいらっしゃる、黄連泊様です」