もしそうだったら?
そして、死んだ栄祐がそのことに気付いて調べていたとしたら?
『十分に諷示してやった。あとは自分で考えろ』
先ほどの潤王の言葉がよみがえる。
(もしかして──)
心臓の音がうるさく鳴り響くのを感じた。
◇ ◇ ◇
眠気を感じて、ふあっとあくびを噛みつぶす。
鈴々が玲燕を見つめ、不思議そうに首を傾げた。
「昨晩はあまり眠れませんでしたか?」
「うん、ちょっと……」
玲燕は言葉を濁す。
事実、昨晩は色んなことを考えて眠れなかった。けれど、バラバラになっていた部品が少しずつ組み上がってゆくような、確かな手応えを感じていた。
(推測が正しいかを確認するには、やっぱり桃妃様に直接お会いするしかないわね)
現在、桃妃は潤王暗殺事件の重要な容疑者であるとして桃林殿から出ることを許されていない。ならば、こちらから出向くまでだ。
「鈴々、出かけるわ」
「どちらに?」
「散歩よ」
玲燕の言葉を疑問に思うこともなく、鈴々は「かしこまりました」と頷く。
「じゃあ、行きましょう」
そして、死んだ栄祐がそのことに気付いて調べていたとしたら?
『十分に諷示してやった。あとは自分で考えろ』
先ほどの潤王の言葉がよみがえる。
(もしかして──)
心臓の音がうるさく鳴り響くのを感じた。
◇ ◇ ◇
眠気を感じて、ふあっとあくびを噛みつぶす。
鈴々が玲燕を見つめ、不思議そうに首を傾げた。
「昨晩はあまり眠れませんでしたか?」
「うん、ちょっと……」
玲燕は言葉を濁す。
事実、昨晩は色んなことを考えて眠れなかった。けれど、バラバラになっていた部品が少しずつ組み上がってゆくような、確かな手応えを感じていた。
(推測が正しいかを確認するには、やっぱり桃妃様に直接お会いするしかないわね)
現在、桃妃は潤王暗殺事件の重要な容疑者であるとして桃林殿から出ることを許されていない。ならば、こちらから出向くまでだ。
「鈴々、出かけるわ」
「どちらに?」
「散歩よ」
玲燕の言葉を疑問に思うこともなく、鈴々は「かしこまりました」と頷く。
「じゃあ、行きましょう」