「わたくしもそう思うんだけど、雪が桃林殿に医官らしき人が出入りしているのを見たって」
「医官?」
玲燕は蓮妃の話に興味を持つ。
「ええ。かなり遠目だったから確証はないみたいなのだけど、以前医官として後宮に来た方に似た人が殿舎から出てくるのをみたらしいの」
「他人の空似ということは?」
「あり得るわ」
蓮妃は肩を竦める。
(医官……。以前も体調を崩されたみたいだけれど、まだ体調が優れないのかしら……)
天佑に聞いても、桃妃については心配しなくていいと言うだけなので様子がよくわからないのだ。
桃佳殿に外から見える大きな動きはないので、きっと大病ではないと思うが──。
「蘭妃様。本日約束していた商人がいらしております」
部屋の隅に控えていた女官が蘭妃に耳打ちするのが聞こえた。
「えっ、もう? 思ったより早いわね」
蘭妃が慌てたような様子を見せる。きっと、元々していた約束より商人が早く到着してしまったのだろう。
「蘭妃様、私はそろそろお暇します」
「医官?」
玲燕は蓮妃の話に興味を持つ。
「ええ。かなり遠目だったから確証はないみたいなのだけど、以前医官として後宮に来た方に似た人が殿舎から出てくるのをみたらしいの」
「他人の空似ということは?」
「あり得るわ」
蓮妃は肩を竦める。
(医官……。以前も体調を崩されたみたいだけれど、まだ体調が優れないのかしら……)
天佑に聞いても、桃妃については心配しなくていいと言うだけなので様子がよくわからないのだ。
桃佳殿に外から見える大きな動きはないので、きっと大病ではないと思うが──。
「蘭妃様。本日約束していた商人がいらしております」
部屋の隅に控えていた女官が蘭妃に耳打ちするのが聞こえた。
「えっ、もう? 思ったより早いわね」
蘭妃が慌てたような様子を見せる。きっと、元々していた約束より商人が早く到着してしまったのだろう。
「蘭妃様、私はそろそろお暇します」