蓮妃はそこまで言うと、両腕で自分自身を抱きしめ、ぶるりと震える。
(天佑様のおっしゃっていた通りね)
蓮妃の話は、先日天佑から聞いた話と一致する。その場にいたふたりの証言が一致しているということは、その際に起きた出来事の証言としてかなり客観的な信憑性が高いと言えた。玲燕は敢えて、天佑に事前に確認済みのことを蓮妃にも聞いてみることにした。
「桃妃様付きの女官にお酒を用意した者が毒を入れたという可能性はございませんか?」
「それが、それはあり得ないのよ」
「あり得ないというと?」
「あの日は女官がお酒を入れる酒器を持っていて、中身が少なくなくなったら各自が酒樽から足していたの。その酒樽にはお酒が入っていなかったから、毒が入れられたのは桃妃様の侍女が持っていた酒器だけってことよ」
「そのときの様子をもう少し詳しく聞いても?」
玲燕は蓮妃の話に興味を持ち、身を乗り出す。
(天佑様のおっしゃっていた通りね)
蓮妃の話は、先日天佑から聞いた話と一致する。その場にいたふたりの証言が一致しているということは、その際に起きた出来事の証言としてかなり客観的な信憑性が高いと言えた。玲燕は敢えて、天佑に事前に確認済みのことを蓮妃にも聞いてみることにした。
「桃妃様付きの女官にお酒を用意した者が毒を入れたという可能性はございませんか?」
「それが、それはあり得ないのよ」
「あり得ないというと?」
「あの日は女官がお酒を入れる酒器を持っていて、中身が少なくなくなったら各自が酒樽から足していたの。その酒樽にはお酒が入っていなかったから、毒が入れられたのは桃妃様の侍女が持っていた酒器だけってことよ」
「そのときの様子をもう少し詳しく聞いても?」
玲燕は蓮妃の話に興味を持ち、身を乗り出す。