「先日皇城で行われた宴会で、参加した臣下のひとりが『私の雇っている衛士は百斤の重りを頭の位置まで持ってくることができる』と言いだしたの。そうしたら次々に他の者達も力自慢をし始めて、最後は天佑様が陛下に耳打ちして『それならば、どの家が一番重い重りを持ち上げられるか勝負しようか』と。それで、今度力比べの勝負が行われることになっているのよ。それに梅妃様のご実家の黄家が参加するらしいから、我が連家も参加しないわけにはいかないわ。ただ、黄家の当主は刑部尚書であられる黄連伯(おうれんはく)様よ。部下も力自慢が揃っていて、このままでは優勝する可能性が高いわ。このままでは終わった後にまた『蘭妃様のところはあのようなもので護衛が住むなんて、随分と平和な場所にお住まいなのですね』って言われてしまうわ」
蘭妃は梅妃のものまねをするように、扇を口元に当てて嫌みを言う。その後、悔しげに口元を歪ませると、持っていたお触れの紙を取り出した。
「これよ! 見て!」
玲燕はそのお触れの紙を見る。そこにはたしかに、『最も重い重りを持ち上げた者を押した家門には褒美をつかわす』と書かれていた。
蘭妃は梅妃のものまねをするように、扇を口元に当てて嫌みを言う。その後、悔しげに口元を歪ませると、持っていたお触れの紙を取り出した。
「これよ! 見て!」
玲燕はそのお触れの紙を見る。そこにはたしかに、『最も重い重りを持ち上げた者を押した家門には褒美をつかわす』と書かれていた。