「だってあの人、何かと嫌みを言ってきて嫌いだわ。先日も、池に浮かべて遊ぼうと船を取り寄せた際だって、『蘭妃様のところはこぢんまりとした、可愛らしいものをお好みなのですね』ですって。絶対に喧嘩を売っているわ。あの人、本当に体調が悪いのかしら? いつ顔を合わせても、ピンピンしているように見えるけど」

 蘭妃は顔をしかめる。

「はあ」

 玲燕としては苦笑するほかない。

 どうやら、以前に蓮妃から話を聞いていたとおり、梅妃と蘭妃は仲がよくないようだ。これが〝女の戦い〟というものなのかもしれない。

「それで、勝負とは?」