「鍍金とは、別の金属の表面に金の薄膜を被膜させる技術です。金は磁石に反応しませんが、地の金属は恐らく鉄ではないかと思ったのです。試しに羅針盤を用いたところ、見事に反応いたしました。でも蘭妃様、あなた様は最初からどれが鍍金の品かをご存じでしたよね?」

 玲燕の問いかけに、蘭妃はくすくすと笑い出した。

「あらばれた?」

 蘭妃はペロリと舌を出す。

「試すようなまねをしてごめんなさい。陛下から、とても広い知識を持つ面白い錬金術妃だから、試してみるといいと聞いていたの。本当ね」
「さようでございますか」

 玲燕はこめかみを指で押さえる。
 あの皇帝は、相変わらず何を妃達に吹き込んでいるのか。

「今日呼んだのはね、今度の勝負でなんとか梅妃様の優勝を回避する方法はないかと知恵を借りたくて」

 玲燕は首を傾げる。