予想外の態度に、天佑は目を瞬(またた)かせた。
「だから、断ると言ったんだ」
「……それは、どうしてかな?」
天佑は口元に笑みを浮かべ、少年に問いかける。
朝廷からの依頼は、即ちここ光麗国の皇帝からの依頼と同義。ありがたいとむせび泣くことはあれど、断られるとは思ってもみなかった。
「都に日帰りで行くことはできないだろう? ここで育てている動物たちの世話は、その間誰がやる?」
少年は大真面目な顔をして答える。
「……動物?」
動物とは先ほど見かけた、このみすぼらしい家の外にいた牛や犬のことだろうか。まさか牛や犬を理由に断られるとは。
「あの子達は私の数少ない財産なんだ。逃げたり死なれたりしたら、取り返しが付かない」
「なるほど。では、動物の世話をするための人を寄越そう」
「役人は信用ならない。昔、手伝ってほしいと言われて手伝ったら、報酬を払い渋るどころか、私を愛妾にしてやると言って侮辱してきた」
「それは……」
天佑は改めて目の前の少年を見た。
華奢で、まるで少女のような可愛らしい顔つきをしている。天佑にはそういう趣味はないが、人によってはこのような愛らしい見目の少年を愛妾として囲う性癖がある輩もいるかもしれない。
「だから、断ると言ったんだ」
「……それは、どうしてかな?」
天佑は口元に笑みを浮かべ、少年に問いかける。
朝廷からの依頼は、即ちここ光麗国の皇帝からの依頼と同義。ありがたいとむせび泣くことはあれど、断られるとは思ってもみなかった。
「都に日帰りで行くことはできないだろう? ここで育てている動物たちの世話は、その間誰がやる?」
少年は大真面目な顔をして答える。
「……動物?」
動物とは先ほど見かけた、このみすぼらしい家の外にいた牛や犬のことだろうか。まさか牛や犬を理由に断られるとは。
「あの子達は私の数少ない財産なんだ。逃げたり死なれたりしたら、取り返しが付かない」
「なるほど。では、動物の世話をするための人を寄越そう」
「役人は信用ならない。昔、手伝ってほしいと言われて手伝ったら、報酬を払い渋るどころか、私を愛妾にしてやると言って侮辱してきた」
「それは……」
天佑は改めて目の前の少年を見た。
華奢で、まるで少女のような可愛らしい顔つきをしている。天佑にはそういう趣味はないが、人によってはこのような愛らしい見目の少年を愛妾として囲う性癖がある輩もいるかもしれない。