「鬼火を起こしていた方法がわかったところで、残るは犯人捜しだな」

 ようやくゆらゆらと揺れる鬼火の謎が解け、天佑は胸が高鳴るのを感じた。
 この娘なら、本当に鬼火の謎を全て解決してくれるのではないか。そう思わずにはいられない。

「ただ、少し不思議なことがあって……。どうして犯人は、わざわざふたつの方法で鬼火を起こしたのでしょう?」
「特に意味はないだろう」
「そうでしょうか。なら、いいのですが」

 玲燕は解せないと言いたげに、呟く。
 先ほどまで吹いていた風がなくなり、凧が地面に落ちると同時に鬼火もかき消えた。