「ああ、それは──」
玲燕は自分の考えを話し始める。
鬼火の事件を巡り、玲燕は元より妃の誰かが事件に関わっている可能性は低いと考えていた。しかし、昨日の潤王の様子を見て、もしかして恋情のもつれによる動機であればあり得るのではないかと予想したのだ。
「桃妃様が嫉妬したのではないかと思ったのです」
「嫉妬?」
「はい。本来であれば、陛下は即位することなく宋家に婿入りし、桃妃様と夫婦になられるはずでした。ところが、皇帝となったために多くの妃を娶ることになった。桃妃様としては、自分ひとりの夫になるはずだった人がそうではなくなってしまったので、面白くないのではないかと思ったのです」
「なるほど。だが、それはないと思う」
「なぜですか?」
即座に玲燕の推理を否定した天佑に、玲燕は聞き返す。
玲燕も今日の桃妃の様子を見ておそらく違うだろうと思ってはいるが、どうして天佑がそう判断したのか興味があったのだ。
玲燕は自分の考えを話し始める。
鬼火の事件を巡り、玲燕は元より妃の誰かが事件に関わっている可能性は低いと考えていた。しかし、昨日の潤王の様子を見て、もしかして恋情のもつれによる動機であればあり得るのではないかと予想したのだ。
「桃妃様が嫉妬したのではないかと思ったのです」
「嫉妬?」
「はい。本来であれば、陛下は即位することなく宋家に婿入りし、桃妃様と夫婦になられるはずでした。ところが、皇帝となったために多くの妃を娶ることになった。桃妃様としては、自分ひとりの夫になるはずだった人がそうではなくなってしまったので、面白くないのではないかと思ったのです」
「なるほど。だが、それはないと思う」
「なぜですか?」
即座に玲燕の推理を否定した天佑に、玲燕は聞き返す。
玲燕も今日の桃妃の様子を見ておそらく違うだろうと思ってはいるが、どうして天佑がそう判断したのか興味があったのだ。