本当は全く関係のない赤の他人だけれど、ここに入宮するに当たってそういうことにしたというのは天佑から聞いている。
「やはりそうなのね」
桃妃はパッと表情を明るくする。
「天佑は元気かしら? 栄佑に聞いても『元気ですよ』としか言わないけど……」
「え? ……元気でございます」
「そう、安心した。全然会っていないから、どうしているかしらと思って」
桃妃はほっとしたような表情を見せる。
「陛下から、甘家ゆかりの錬金術が得意な方が後宮にいらっしゃると聞いたとき、さすがは天佑の推薦だと思ったの。天佑も錬金術をよく勉強していたものね」
(天佑様が、錬金術?)
そんな話、天佑から聞いたことはなかった。
(確か、お兄様が天嶮学を少し学んでいたとは言っていたけれど……)
じっと考え込んでいると「菊妃様?」と声をかけれられて玲燕はハッとする。玲燕が急に黙り込んだので、桃妃が困惑した表情でこちらを見つめている。
「申し訳ありません。風で散る葉が舞っているのが美しくて、つい見惚れておりました」
咄嗟に思いついた言い訳を並べると、桃妃は池のほうを見る。
「やはりそうなのね」
桃妃はパッと表情を明るくする。
「天佑は元気かしら? 栄佑に聞いても『元気ですよ』としか言わないけど……」
「え? ……元気でございます」
「そう、安心した。全然会っていないから、どうしているかしらと思って」
桃妃はほっとしたような表情を見せる。
「陛下から、甘家ゆかりの錬金術が得意な方が後宮にいらっしゃると聞いたとき、さすがは天佑の推薦だと思ったの。天佑も錬金術をよく勉強していたものね」
(天佑様が、錬金術?)
そんな話、天佑から聞いたことはなかった。
(確か、お兄様が天嶮学を少し学んでいたとは言っていたけれど……)
じっと考え込んでいると「菊妃様?」と声をかけれられて玲燕はハッとする。玲燕が急に黙り込んだので、桃妃が困惑した表情でこちらを見つめている。
「申し訳ありません。風で散る葉が舞っているのが美しくて、つい見惚れておりました」
咄嗟に思いついた言い訳を並べると、桃妃は池のほうを見る。