一夫多妻制が敷かれる後宮では多くの男児が産まれるのが常だが、皇帝になれるのはひとりのみ。残りの皇子は多くの場合、国内各地の貴族の元に婿入りする。そして、婿入り先の筆頭候補になるのは幼いときに預けられた貴族であることが多い。
玲燕は、潤王もその慣例に則り、宋家に婿入りすることが決まっていたのではないかと予想したのだ。
「私は不思議だったのです。なぜ、おひとりだけご実家の身分が劣る桃妃様を妃として娶ったのだろうと。陛下は、梅妃様、蓮妃様、蘭妃様の三人は政権安定のために、桃妃様だけは私情で娶ったのではないですか?」
潤王には現在、玲燕を除けば四人の妃がいる。梅妃、蓮妃、蘭妃、桃妃だ。そのうち桃妃を除く三人はいずれも国内有数の有力貴族の娘であり、桃妃だけ出身が見劣りする。
以前、潤王は全ての妃を平等に夜伽に呼ぶと蓮妃から聞いたことがある。どうしてまだ子供としか言えないような年頃の蓮妃まで平等に夜伽に呼ぶのか。そして、偽りの妃である玲燕まで。玲燕を夜伽に呼ばなくても抗議する貴族などいないのに。
しかし、全ては桃妃を少しでも多く呼ぶためだと考えれば納得いく。
玲燕は、潤王もその慣例に則り、宋家に婿入りすることが決まっていたのではないかと予想したのだ。
「私は不思議だったのです。なぜ、おひとりだけご実家の身分が劣る桃妃様を妃として娶ったのだろうと。陛下は、梅妃様、蓮妃様、蘭妃様の三人は政権安定のために、桃妃様だけは私情で娶ったのではないですか?」
潤王には現在、玲燕を除けば四人の妃がいる。梅妃、蓮妃、蘭妃、桃妃だ。そのうち桃妃を除く三人はいずれも国内有数の有力貴族の娘であり、桃妃だけ出身が見劣りする。
以前、潤王は全ての妃を平等に夜伽に呼ぶと蓮妃から聞いたことがある。どうしてまだ子供としか言えないような年頃の蓮妃まで平等に夜伽に呼ぶのか。そして、偽りの妃である玲燕まで。玲燕を夜伽に呼ばなくても抗議する貴族などいないのに。
しかし、全ては桃妃を少しでも多く呼ぶためだと考えれば納得いく。