男はナイフで胡麻餅に二カ所切れ目を入れて、目寸の三分の一を切り取った。
「では、今度は天佑様。大きい方を二等分して下さい」
「わかった」
玲燕に促された天佑は、ナイフを手に取るとそれを半分に切る。
三つに切られた胡麻餅はほぼ等分に見えるが、よく見ると微妙に大きさが違う。
「では、私はこれを頂きます」
そういうと、玲燕はその中で一番大きい胡麻餅を手に取り、口に放り込む。
そして、玲燕の行動に唖然とする男ににこりと笑いかけた。
「では、次は陛下がお取り下さい。ご自分達で三等分に切り分けたのだから、不満などないでしょう?」
それを聞いた途端、男は耐えきれぬ様子で笑いだした。
「ははっ! なるほど、これは面白い奴だ。それに、よく俺が皇帝だと気付いたな?」
「見ればわかります」
「どの辺で? わざわざ、普通の袍服を着てきたのに」
男──変装姿の潤王は自分の来ている袍服を指さす。
「では、今度は天佑様。大きい方を二等分して下さい」
「わかった」
玲燕に促された天佑は、ナイフを手に取るとそれを半分に切る。
三つに切られた胡麻餅はほぼ等分に見えるが、よく見ると微妙に大きさが違う。
「では、私はこれを頂きます」
そういうと、玲燕はその中で一番大きい胡麻餅を手に取り、口に放り込む。
そして、玲燕の行動に唖然とする男ににこりと笑いかけた。
「では、次は陛下がお取り下さい。ご自分達で三等分に切り分けたのだから、不満などないでしょう?」
それを聞いた途端、男は耐えきれぬ様子で笑いだした。
「ははっ! なるほど、これは面白い奴だ。それに、よく俺が皇帝だと気付いたな?」
「見ればわかります」
「どの辺で? わざわざ、普通の袍服を着てきたのに」
男──変装姿の潤王は自分の来ている袍服を指さす。