「………」

「俺の声では届かない。……悔しいね。父親なのに、娘の大事に何も出来ない」

「………流夜さんしか、だめなんでしょうか……」

「………かも、しれないね」

「……笑満ちゃんと一緒に、咲桜ちゃんのところに、います。咲桜ちゃんの父は、在義兄さんだけなんですから、そこは、しっかりしてくださいね」

「……ああ」

わたしは、また咲桜ちゃんの部屋に戻った。

丸一日経っても、ただ涙を流すばかりの咲桜ちゃんの部屋。

神宮さんのいない今、咲桜ちゃんを支えられるのは、わたしと笑満ちゃんだけだわ。