赤く色づいた落ち葉とともに、日常はいきなり壊れる。



「ねえ、なんかすごいキラキラした人たちがいるんだけどっ」

「どこー?」

「校門のとこ! 片方……女の人かな? ちょう美人!」

「もう一人も背高っ、カッコいいー!」

学内で、廊下がにわかに騒がしくなっていた。

興奮した声が聞こえる。見知らぬ人たちが校門のところにいるらしい。

笑満と、講義終わりで一緒に話していた宮寺先生もそれに気づき、瞠目した。

あの長身の影は―――

「あっ、おーい! りゅう―!」

やっぱり降渡さんだ! 降渡さんがぶんぶん手を振る方を見ると同じ階の離れた場所に流夜くんの姿があった。

なんであの二人が突撃してきたの⁉ 正体を知る私と笑満は蒼ざめた。

「きゃーっ」

女生徒から悲鳴が聞こえた。

はっとすると、流夜くんが窓枠から飛び降りるところだった。はあ⁉

「りゅ――っ」

ここは二階だ。

私は駆け出しかけたけど、流夜くんは難なく地面に着地した。

そしてダーッと二人に走りより、降渡さんと吹雪さんに一発ずつ喰らわせていた。