咲桜の視線は、流夜くんへ張り付いたままだ。

俺(幼馴染)としてはやるかたない思い。

……どう動こうか。

流夜くんが恋人というのを認めていないわけではないけど、俺も自分の感情を押し止めている気もなかった。

いつになろうが、いつだろうが、咲桜には伝える。

そのあとどうなるか――咲桜が気まずさを理由に離れていくのなら、それ以上のことを過去の自分がしているので気にしなくていいと思う。

だから、なんてゆーか。

咲桜の存在はとても大きくて、絶対に離れて行かないという、己惚れみたいな、自信みたいなものがあった。

実際咲桜は、今まで俺の友達をやめたことはなかった。

咲桜の親御さんのことを知っている人はいないのだから――咲桜と在義パパに血縁関係がないとは、本当に誰も知らない。小学校時代の担任教師にでさえ、在義パパは秘密にしていた――、いつだって普通の友達を作ることは出来たはずだ。

……それが、通称『日義の飼い主』とか呼ばれるようになっている。咲桜は不器用なのだろうか。

俺はとんだ鈍感だったが。