式が終わって体育館を出ると、学校は桜吹雪に包まれた。
三年前――葉桜だった桜は、今度は柔らかい色で見送る。
いろんなところで卒業生や、送る在校生たちが集まっている。方々から写真を撮るのを頼まれる頼が一緒の私と笑満は、ゆっくりとその道を門へ向かって進む。
「笑満、先輩は?」
「来てくれるって。うち寄ったあと、龍生さんところに卒業のご挨拶に行くつもり」
「そっか。がんばれよー」
「もちろん。咲桜は、……準備、出来てるの?」
「うん。絆先輩や所長にも話しつけてある。もうこうなったらどこにいようが―――
「笑満ちゃんーっ」
近づいていた門扉。学校が終わる場所に、笑満を呼ぶ遙音先輩がいた。
その傍らには、別の影も――
「――――」
「はる――えっ?」
目を見開く余裕もなく、駆け出した。
ずっと離れられなかった笑満と頼を、その場に置いたまま。