咲桜は二回目の受験――三年生の十一月に合格する。

師事していた絆とその先輩で事務所の所長・桜台涼花(さくらだい りょうか)に認められ、卒業後は行政書士として桜台法律事務所への就職が決定した。

合格したその日、桜色の華ばかりを集めた花束が、届けられていた。

咲桜は、その背を追うことに迷いはなかった。

……流夜に置いて行かれたショックは完全には融けず、ときたま爆発するストレスの所為で若干口が悪くなると言う、箏子が卒倒しそうなおまけをつけて。