「そう。私も、降渡に敵うようになりたくてこの世界目指したっていう動機が不純な人だからさ。法律家なら犯罪事件に直結する職業だし、相手方の力になれることもあるんじゃない?」

「………弁護士」

「かなりの勉強が必要になるわよ? それを覚悟出来るなら、だけど」

「……弁護士だったら、日本中、追いかけられますかね?」

「そうね。国際弁護士とかになったら国をまたにかけることも出来るしね。あー、でも大学に法科大学院に司法修習生にってあるから、すぐ追いかけるのは難しいな……」

絆さんは顎に手を当てて考え出した。まだそこまで親しい関係ではないのに、親身になって話を聞いてくれているのがわかる。

「何年もかかっても大丈夫? それとも……」

「……贅沢を言うようですが、出来たらすぐにでも追いかけたいです。勉強しながら日本廻るとか……」

「それはちょっと無謀ね。弁護士目指すならそんな中途半端な勉強の仕方じゃ無理よ」

「……ですよね……」

私が落ち込んでしまうと、反対に絆さんは何かに気づいたように瞳を見開いた。

「こっちならどうかしら。勉強のレベルが下がるわけじゃないけど、受験資格に年齢がないものがあるわ」