「……尊さん、お休みの日ってどうされてるんですか?」
唐突に、私はそんなことを訊いた。
「友達のとこですかね。子どもがたくさんですから、お手伝いに行ってます」
「……神林白(かんばやし ましろ)さん、ですか?」
「です。白ちゃんはわたしの親友です」
尊さんはほこほこした笑顔で答えた。
「……もしかして、尊さんの分まで赤ちゃん産むとか仰ったとか……」
「言ってましたね。白ちゃん、わたしに子ども出来ないの知ってますから」
「………」
あまりにあっさり話す尊さんに、続く言葉が見つけられず黙ってしまう。
別にカマをかけたわけじゃないけど、ドンドン肯定されて困った。尊さんは微笑む。
「私、背丈小さいでしょ?」
「え? えと……」
「実際、百四十センチないんですよ。でも、わたしの双児の兄――帝くんは、衛くんよりも身長あるんです」
「えーと……衛さんのストーカーだっていう方……ですか?」
「です。帝くんの衛くん大すきは異常ですから。まあ、わたしと帝くんは一卵性なんで、衛くん大すきは遺伝子レベルかもですけど」
「一卵性? お兄さん、なんですよね?」
笑満が軽く目を見開いた。
「そうですね。男女の一卵性はないって言われてましたけど、数例報告されてるんです。ほんと、少ないですけど。……わたしと帝くんは一卵性の双児です。そしてわたしは、ターナー症候群というものなんです」