「遙音くん、養子にするんだって?」
仕事あがりで『白』へ寄っていた在義に言われて、俺は「まあな」と肯いた。
「あいつも実質独りだし、俺もここの跡継ぎいねえしな。流夜はお前んとこだし、吹雪も警察関係から動く気はなさそうだし。降渡は、こういうところは使う側の方があってんだろ」
「ごたくを並べるなよ。素直に言わないと遙音くん、色々勘違いしたり誤解したりするぞ。昔っからお前は余計なことは言う癖に言葉足らずだ」
「……あ?」
俺は、険を隠さない瞳で在義を見返した。
「ほしくなっただけだろう。光子以外に、家族が。――遙音くんという息子が」
「………」
在義はからかうように続ける。
「俺に影響されたか?」
「……さあな」
ったく、こいつはヒトを見透かすように言いやがって。
でも、そうかもしんねえな。