「いいと思う」
自嘲気味に言った先輩に、笑満はよく通る声で答えた。
「いいと思うよ、あたしは。遙音くんが、そう望んでいるんなら。龍生さんいい人だし、在義パパの相棒ってくらいの人だし!」
力説する笑満に、先輩は苦笑した。
「……ありがとう」
お互いを見ている笑満と遙音から、私はそっと離れて夜々さんの傍に立った。
「夜々さん。さっきはありがとうでした」
「……わたし的に、そろそろあの人排除したいんだけど?」
「それはダメです」
「……どうしても?」
「はい。私の一番大事な人なんです。……失えない。どうしても」
私が宣言すると、夜々さんは「そう」とだけ答えた。