「衛」

「お? なに、見送り?」

衛が裏門につくと同時に追いついた。

「まあ。……わざわざ、手間かけたな」

「気にすることじゃない。いつもの一つだ」

「いや……ありがとう」

俺の、いつになく細い声に衛は瞳を細めた。

「……俺らが探った意味、少しはあったか?」

問われて、少しだけ肯いた。

「ああ。――おかげで、離れる覚悟が出来た」