「……否定はしない。尊、休みになるとほぼ蒼んところで子どもたちの相手してるから」
「子ども四人だしね。白と蒼は助かってるんじゃない?」
「ほかにも何人か、常に居座ってるってさ」
「相変わらず仲良しだね、十三は」
衛さんは吹雪さんと流夜くんに軽く手を振って、何故か窓から出て行った。
『……?』
私と笑満が首を傾げると、先輩が囁いてきた。
「神宮、他の教師から、外部の人間入れるなって怒られたんだって」
『……ああ』
吹雪さんと降渡さんの襲撃のせいか。同時に納得した。
むしろそこまで付き合ってくれる衛さん、いい人なんじゃないだろうか。
「………」
……流夜くんは、今の衛の話をどう思って――――
「あ、あれ?」
様子をうかがおうと振り返ったら、今までいた場所に流夜くんがいなかった。
「神宮? さっき出て行った」
「も、物音一つしなかった……」
「あー、あいつらそういう得意だから。隠密行動みたいなの」
「……龍生さんの教えか……」
「そういうことだな。……それからさ、俺も、笑満ちゃんと――咲桜に、話、あるんだ」
「? なに」
笑満が問うと、先輩は真剣な眼差しを見せた。
「俺――猫柳の苗字を、継ごうと思ってる」