一つ、胸の前で拳を作った。

「……大丈夫? 咲桜ちゃん」

「はい。行ってきます」

傍らに立つ夜々さんの不安そうな眼差しを受けて、私は大きく肯いた。

ずっと先送りにしていた問題。

すぐに答えが出るかはわからない。

でも、もう止まってはいたくない。

一緒に来てくれた夜々さんと、大きな建物へ入って行った。