リョウとリンは、よくトオルやケンタと四人で遊んだ、小さな公園にやってきた。公園には楕円形の砂場に、お山みたいに頂上の先だけ一段高くなっているジャングルジムに、ブランコが二つ。

小さな頃から何一つ変わってない。リョウとリンの、この曖昧な幼なじみという関係とおんなじだ。

「リョウ、みてみてー」

リンは初恋をどこかに忘れてきたことも忘れてしまったかのように、既にジャングルジムのテッペンまで登っている。

「リョウー早くー」

「ちょ……」

リョウは思わず、リンから目線を逸らした。ジャングルジムのテッペンに座るリンのスカートの裾が、風に吹かれるたびに揺れて、白い太ももあたりまでが見え隠れしていたからだ。

「リン、早く降りてきて」

「やだ。一人じゃ降りれない。リョウが迎えにきてくれたら降りれる」

「迎えにきてくれたらって……自分から登ったんじゃん」

リンが悪戯っ子みたいな顔をして歯を見せて笑った。