「こっちだ。頭が待っている」
先導されて僕達はある屋敷に入る。
「頭、連れてきました」
屋敷の中に入ると上座に一人の妖怪が腰かけていた。
青い肌に額から延びる一本の角。
肌は沢山の傷跡が残っている。
「ご苦労、下がっていいぞ」
見ただけでわかる。
この妖怪、相当の修羅場を潜り抜けているし、強い。
「久しぶりだな。新城の坊主」
「あぁ、こんな形で会うとは思わなかったよ。青山の大将」
ニヤリと笑う青い鬼。
どうやら新城と面識があるらしい。
「俺と新城の坊主は昔、殴りあった仲でな。コイツの腕の凄さは理解している。そして、信頼もある」
「妖怪相手に信頼もへったくれもないが、コイツは妖界を守ることに関しては誰よりも強く信頼できる」
互いを理解していると言えばいいのか。
最悪な事態だというのに二人はニヤニヤと笑っている。
「初対面だったな。俺は青鬼達を束ねる頭領。ある人間から青山って名前を貰い、今はその名前で通している」
青山へそれぞれ挨拶をする。
「アタシ、瀬戸ユウリ、です」
「い、い、一条彼方です。あの、妖怪って本当に?」
「おう、この角がわからないか?」
角を触りながら話す青山さん。
彼方君はまだ目の前の事態に理解が追い付いていない様子。
混乱しているままだからかな?
「僕は雲川丈二です」
最後に僕が名乗ると目を見開く。
ちらりと青山さんが新城を見る。
「俺の右手だ」
「そうかい、納得だ……さて」
バチンと手を叩く。
「形式として尋問をしなければならないんでな。教えてくれ、何があった?」
「退魔師がミズチを拉致した」
先導されて僕達はある屋敷に入る。
「頭、連れてきました」
屋敷の中に入ると上座に一人の妖怪が腰かけていた。
青い肌に額から延びる一本の角。
肌は沢山の傷跡が残っている。
「ご苦労、下がっていいぞ」
見ただけでわかる。
この妖怪、相当の修羅場を潜り抜けているし、強い。
「久しぶりだな。新城の坊主」
「あぁ、こんな形で会うとは思わなかったよ。青山の大将」
ニヤリと笑う青い鬼。
どうやら新城と面識があるらしい。
「俺と新城の坊主は昔、殴りあった仲でな。コイツの腕の凄さは理解している。そして、信頼もある」
「妖怪相手に信頼もへったくれもないが、コイツは妖界を守ることに関しては誰よりも強く信頼できる」
互いを理解していると言えばいいのか。
最悪な事態だというのに二人はニヤニヤと笑っている。
「初対面だったな。俺は青鬼達を束ねる頭領。ある人間から青山って名前を貰い、今はその名前で通している」
青山へそれぞれ挨拶をする。
「アタシ、瀬戸ユウリ、です」
「い、い、一条彼方です。あの、妖怪って本当に?」
「おう、この角がわからないか?」
角を触りながら話す青山さん。
彼方君はまだ目の前の事態に理解が追い付いていない様子。
混乱しているままだからかな?
「僕は雲川丈二です」
最後に僕が名乗ると目を見開く。
ちらりと青山さんが新城を見る。
「俺の右手だ」
「そうかい、納得だ……さて」
バチンと手を叩く。
「形式として尋問をしなければならないんでな。教えてくれ、何があった?」
「退魔師がミズチを拉致した」