次の日。入試のはずだった日、学校に登校すると、漆原くんの下駄箱に、「ごめん、お付き合いはできません」と書いたカイロを投函した。

私は試験の正解なんかでなく、このモヤモヤの答えを知りたかった。
電車に揺られて隣町の霊園へと向かった。
学校や親からの電話は鳴り止まなかったが無視した。
彷徨って辿り着いた閑静な墓地。ある石碑の花立に一輪の黄色い花が差してあった。
もしかして、と足を運んだ。
「漆原……紅花」
背の低い墓石には、そう名前が刻まれていた。
没年月日は、二人でオープンキャンパスに行った日付だった。