やっと雨が止んだ頃には、時生もだいぶ落ち着いていた。ずずっと洟を啜って空を仰いだ。
「明日九時、ここに集合」
また突拍子のないこと言い出した。
そろそろ慣れたいところだけど、たぶん無理だ。いくらなんでも唐突すぎてびっくりする。
「一緒に学校行くってこと?」
「違う。いいからここに集合」
「違うって、え? どこ行くの? だって、学校祭の準備あるって……」
「そんなのさぼって、外で思いっきりはしゃいじゃおうよ」
雨の中で、微笑むというより歪に微笑した時生の顔がはっきりと見えた。
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