今日もよく晴れていた。

 道行く途中、部活の朝練をしている生徒たちとすれ違う。朝はまだまだ肌寒いというのに、みんな半袖になって、ジャージの裾を膝までまくって、額やこめかみに汗を光らせている。様々な大会に向けて、期待と不安が入り混じったような表情を覗かせていた。
 青春を謳歌している彼等にとっては、こんな何気ない日常も青春の一ページとして刻まれるのだろう。

 校庭には、彼等を見守るように大きな桜の木が等間隔で並んでいる。もう四月中旬とはいえ、ここは北国だから枝はまだまっさらだ。桜の開花はもう少し先。道の端にまだ雪が残っている箇所もちらほらある。
 だけど日中ガラス越しに受ける日差しは暖かく、窓を閉め切っていると教室に熱気がこもって、まさか春をすっ飛ばして夏になるつもりかと思うほど暑くなる。かと思えば帰宅時にはまた寒くなっている。

 なんだか冬と夏を行ったり来たりしているみたいだ。果たして本当に春は来るのだろうか。
 訪れたところで桜は一瞬で散り、心地いい暖かさはすぐに過ぎ去って、あっという間にうだるように暑い夏が来るのだけれど。