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 どこか夢心地で帰宅したものの、部屋に入る頃には、昨日と同じく電気を消すことすら億劫なほど疲れていた。今日はカラオケに行ったから余計に。
 だけど、かろうじて指を動かす気力はあった。

 通知が鳴り続けているスマホに手を伸ばす。これだけ連続で鳴っているということは今日もグループトークだ。
 トーク画面を開こうとしたとき、新たに通知が鳴った。

 時生だ。
 まさか時生から連絡をくれるとは思わなかった。
 どんなメッセージを送ってくれたんだろう。どんなことを書くんだろう。
 ちょっとだけ芽生えた好奇心に駆られて開くと、うさぎのキャラクターの『おつかれさま』というスタンプだけ来ていた。
 それは私が密かに気に入っている、グループトークでは使うことのないものだった。

 時生がこのスタンプを持っているなんて意外。ていうかちゃっかりスタンプ持ってるんだ。
 同じキャラクターのスタンプを返した。すぐに既読がついて、またスタンプが返ってきた。

【スタンプなんて持ってるんだね。このうさぎ可愛いよね】

 思ったことをそのまま送る。

【うん】

 LINEでもひと言かよ。
 ちょっとだけ呆れて、ちょっとだけ、笑った。

 一行だけの吹き出しとスタンプが交互に浮かんでいく。
 たったそれだけなのに、面白くなんかないのに、初めてスマホを買ってもらったときみたいに夢中になっていた。