「い―――……、悔しい、じゃない……女なのに、親友たちに負けてるって……」

「負けてない。そう言えば俺も、そういうのちゃんと言ってなかった。ごめん」

「だから謝るんだったら、

「言わせて?」

「――――」

口を噤んだ絆が、三秒ほど置いてこっくり肯いた。

「俺が一番大事なのは、優先するのは、絆。絆以上の人はいない。りゅうもふゆも敵わない。……だから、俺とずっと一緒にいてほしい」

「……一緒になら、もういるじゃない」

「そうだな。じゃあ、もう一回な?」

絆の耳元の髪を掻き上げ、唇を寄せた。

「    、    。           、          」

「………わたしも、言ってなかったことあるわ。それを聞いてもらっていい?」

「うん」

「すきよ。誰よりも愛してる。ずっと降渡の一番でいたい」

「……ありがとう」

「………だから、…………はい」

小さく、こっくり肯いた。

「ほんと? 十六回目?」

「十七回目じゃない? どっちかって言うと――わっ」

「もう一生離さねー。絶対ずっと幸せにするから」

「……もうずっと幸せよ、バカ」

降渡がいたから。

それは絆からの仕返しだったようだ。俺がしたのと同じように、俺にだけ聞こえるように耳元に囁いてきた。