「いらっしゃいませー。あ、ゼンおかえりー」
「ただいま。……レンは何してるんだ?」
閉店間際、店員なのにカウンターについているレンを見て、仕事あがりのゼン――天科全は眉を寄せた。
「うん。今日ね、流夜が彼女連れて来たんだよねー」
カウンターの中から答える。ゼンはレンの隣に腰かけた。
「あいつも落ち着いたな」
「そうなんだけどね、レンが、流夜と蒼ってどう違うの? って言い出して」
レンは仕事終わりの旦那を見上げた。
「思わない? 蒼と流夜ってどことなく似てない? こう中心核にあるタイプとかさ」
「あー、パッと見はな。でも、条件比較すれば違いは簡単に大きいだろ」
ゼンは俺に、「コーヒー」と頼んできた。「はーい」と応じる。
「条件?」