「変わらず愉快な面子ですね」
「ねー。あ、お昼も出せるよ? 食べてく?」
「……まだ咲桜が帰って来てくれそうにないんで、お願いします」
「りょーかい。でもレンは回収するね。そろそろお客さん来そうだし。レンー、咲桜ちゃんのこと流夜に返してあげなー」
「いや、ケン。読者様の意見をうかがうのも大事なしご
「式のときの写真貼り出していい? ウェルカムボードみたいにー」
「ごめんね、咲桜さん。私も呼ばれてしまった。また、いつでもいらっしゃい」
反論しかけた恋さんだが、剣さんに意味深に言われてころっと方針転換した。相変わらずイケメン顔で決めていく子持ちの母親だった。
……天科サンと閃が苦労するはずだ。
「はー、ドキドキしましたー」
やっと落ち着いた……のか? 咲桜が隣に戻ってきた。胸の辺りを右手で押さえている。
「恋さんが男でもドキドキすんのか?」
「………」
問いかけると、変なものを見る瞳で見られた。そんな眼差しはなかなかキツイんだが……。
「なんで流夜くん以外の男の人相手にドキドキしなきゃいけないんですか?」
「………」
「私が男の人だって認識出来るの流夜くんだけなので、その話は前提条件が無理です」
「………」
駄目だ。これ以上は負ける。撒けないし負ける。
「……賭け、咲桜の負けでいんだろ?」
苦し紛れに確認すると渋い顔をされた。
「それは認めるけど……浮気はしていません。気が浮ついたのは確かですけどごめんなさい」
気が浮ついたのは確かだろうな。